VOL.99「童謡のことば」

2011/08/31

サッカーの国際試合などビックな試合前には「君が代」が歌われる。ただ果たして子どもたちが歌詞の意味をどの程度理解して歌っているかは極めて疑わしい。

小中の指導要領に国歌の指導については明記されているので習っているはずだが中学生に訊くとまず意味がよく解かっていない。

「古今集巻七、読み人知らず」の「わが君は千世に八千世にさざれ石の巖となりて苔のむすまで」が原詩であることはよく知られている。

「わが君」は天皇を表しているが、「君が代」とし、寿ぎ歌として一般に愛唱されていたようである。「千世(代)に八千世(代)」は永遠を意味する。「さざれ石の巖となりて」は「小石が大岩となって」という意味。岩が砂利になるのなら解かるが小石が成長するとは面白い。「苔のむすまで」の「むす」は「産す」で「生まれる・生える」の意味である。因みに「むすこ」「むすめ」の「むす」も同じ意味でカ行音は男、マ行音は女を表している。
「おとこ」「おとめ」や男女の神「ひこ」「ひめ」も同様である。
通して口語訳すれば「君の代は永遠で小さな石が大岩になって苔が生えるまでも続くことだ」となるだろう。

東北の震災後は「ふるさと」がよく歌われ多くの人の涙をそそった。この歌も歌詞のなかの「忘れがたき故郷」や「恙なしや友がき」も子どもには解かり難いと思われる。また、「浜辺の歌」には1番の歌詞に「あした浜辺をさまよえば」とあり、2番は「夕べ浜辺をもとおほれば」とあり解かり難い。「あした」は「明日」ではなく「朝」であり、「もとほれば」は「歩きまわれば」の意味である。

「赤とんぼ」の歌の「夕焼け小焼けの赤とんぼ 負われて見たのはいつの日か」を私は長い間、赤とんぼが子ども達に追われて夕焼けを見たと思い込んでいた。

「鯉のぼり」の歌の「いらかの波と 雲の波」も子どもには解からないだろう。昔のことで誰に聴いたか忘れたが「赤い靴」の「赤い靴はいてた 女の子 異人さんに連れられて行っちゃった」を「イイ爺さん」と思ってたという。国歌もさることながら文化遺産として優れた古い歌も良い機会を得て生徒たちにしっかり伝えたいものだ。

2011/8/31 彦井 脩

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