VOL.90「答案返し」

2011/06/22

定期テスト後、採点が済むと各クラスで答案を返すが予め注意しないとかなり騒々しくなる。

学校の体質にもよるが、周囲の連中に自分の点を見られたくなくて走って来て教師の手から片手で引ったくって行く者もいる。
なかには途中で悪がきに足を出されて転倒する者まで出たりもする。女子校では考えられないが、男子校の中学1,2年生で担当の教師が生徒を甘やかしている場合は、概してこうした喧騒状態が繰り展げられる。学校ならではの風物詩にもなっている。

ベテランの教師は予め、「これから答案を返却するがキミたちは
サルではないのだから出席番号順に並んで必ずきちんと両手で受け取ること」と注意しておく。

返却後採点ミスの確認と問題の重要ポイントを解説する。

問題解説では、テスト範囲内で理解できないと次に進めないポイントで失点している者の対策も考えておく必要がある。該当する生徒を放置すれば落ちこぼれを生むことになるからだ。その部分だけの再テストとか理解を促す宿題を課すなどである。

また済んだテストの細部の点をあれこれ言うより、次のテストや今後の勉強に役立つような解説を心掛けることが大切である。

教師の最も大きな務めは生徒のやる気を喚起するところにある。

問題解説に当たって注意すべきは、生徒を奮起させようとして「こんな問題もできないようでは受ける大学などない」などといった否定的な言い方は厳禁だ。同じことを言うにも「ここで得点できた人はかなり高いところも期待できるぞ」などと前向きな発言をしてほしいものだ。

さらに難問については、「この問いはかなり難しいと思って出題しましたが出来ている人もいました。出来た人は手を挙げてごらん」などと、生徒たちの功名心を刺激することも学習意欲を高めるには有効に働く。また、平均点にこだわる生徒が多いが難問の正解率も発表してもいい。

2011/6/22 彦井 脩

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