VOL.89「脱線・・・結婚話」

2011/06/15

授業中の雑談の中で卒業生の生活について触れることがある。
そんな時夢多き現役の生徒諸君にどこまで現実的なことを話すべきか迷ったりもする。

授業の脱線話に切実感のある話などすべきとは思わないが粉飾した夢物語を話すわけにもいかない。

卒業生たちの集まりに出ると多彩な人生模様を目(ま)の当りにすることになる。

いくら男女が平等になったとはいえ、特に女性にとっては結婚が全てではないが、その後の人生の大きな転機になることを痛感させられる。

女性が富裕層の男性を選ぶのは美貌を保つためだと聴いたことがある。賛成しかねる言葉だが中年の卒業生たちに会うと、結構マトを射ていることを実感することが多い。「衣食足って礼節を知る」とあるが、「衣食足って美貌を保つ」と換言しても良いかもしれない。エステに通いブランド物で飾り立てればそれなりの効果が出ないはずもない。結婚が男の甲斐性に負うところが大きいことも否定できない。

人間の幸せがお金で買えないことくらいイヤというほどわかっているが、全く経済的な問題を抜きにしても考えられない現実が厳然とあることも否めない。

近ごろとみに女性が結婚したがらない。経済的に自立している女性が敢えて倹(つま)しい結婚生活に身を捧げる気にならないのは分からないでもない。

高校の高学年ともなれば結婚も遥か彼方の問題でもない。
さまざまな卒業生の生き方から得た人生の教訓はきちんと伝えるべきだと思っている。教師たる者生徒の行く末の幸せを願わないはずはないからだ。

概して職場結婚は離婚する人が少ないように思われる。職場にかかわらず身近にいて善いも悪いも互いに知り尽くしてもなお結ばれたいという思いが大切であることを生徒に伝えたい。また、結婚は勢いでするものだという向きもあるが、相互に良い面だけを見て結婚するリスクの大きさも併せて伝えておきたいものである。ついでに「愛さえあれば・・・」といった発想がいかに不確定要素の濃い脆弱なものかも、許される範囲内で卒業生の例など挙げて話してやってもいいと思う。

2011/6/15 彦井 脩

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