Vol.7 「試験」

2009/09/30

中学校・高校になると、学期ごとに中間試験・期末試験が行われる。
3学期は授業日数が少ないので学年末試験のみとなり、年5回の定期試験が実施される。

友人の一人に紫陽花が嫌いだという男がいる。

「この花を見ると試験を思い出すんだよ」と言う。

首都圏では紫陽花の見ごろが6月で、試験は7月だから若干時期はずれる。
紫陽花も夾竹桃もそうだが花が咲納めた後は、花弁が鉄さびのような茶色に変色する。
その無残な姿と自分の試験の結果が重なっていたのかもしれない。

人生の終わり近くなっても思い出されるのだから、試験もずいぶん罪作りなものだ。

試験よりも日頃の授業で個々の生徒の到達度を確かめるだけで十分だと思うが、一斉に結果が紙に残るカタチで実施する方が効率よく公平感もともなうという判断にもとづいているのかもしれない。

試験問題を作らせると教師の指導能力がわかると言われたりする。
生徒の力を試すための試験問題で、教師自身の力を判断されるとはずいぶん皮肉な話である。
たしかに有名中学校の入試問題には面白いものが多く、優れた教師が多いのかなと思わせる。

長い教師生活で多くの先生方に出会ってきたし、試験監督も数限りなくやらされた。

監督中は不正行為を見張ったり、落とした筆記具を拾ってやったり、簡単な質問を受けたり等々けっこう忙しい。

そんな中でも出来そうな問題は他教科であっても解いてみると、出題者によって個性が出ていて興味がそそられる。
凝りに凝って作っているものあり、教科書の文章に空所を施したような断片的な知識を問うといったお座成りのものありで様々である。

中には、授業内容の充実さを彷彿とさせるようなポイントをしっかりと押えた芸術的とも思える問題もある。

試験問題は担当教師の多様な要素が凝縮されていることは否めない。
指導力も判断されていることを覚悟の上で作問しなければならない。

2009/9/30 彦井 脩

ご意見・ご感想は彦井 hikoi@careervista.jp まで。