VOL.60「模擬授業」

2010/11/02

私立学校の教員採用試験では模擬授業を課す学校が多い。しかもどの学校も当落を決める最大のポイントになっている。

まず、書類選考で残った人が学校に集まって面接と筆記試験を受ける。その中からこれぞと思われる人を選び、日を改めて模擬授業となる。

だいたいの学校はこんな段取りで選考が実施されている。

模擬授業は、取り上げる題材は前もって告知される、即興で授業をすることはあまり聴いたことがない。それぞれに指導案を作成して模擬授業に持参したり予め郵送したりする。当日は指導案のコピーが立ち会う教員全員に配られて授業が行われる。

時間は学校によっては50分、短くて15分~20分と、さまざまだが長く教師をやっていれば5分も見れば力の程は判る。ただ合格ならいいが、短時間見ただけで不合格にしてはあまりにも不誠実な感じがするので、どの学校も気を遣っている。

私は国語科の教師で、他教科の授業を見ることは少なかったがそれでも、英・数・社・理と一通り立ち会った。

立ち会っている教員を生徒に見立てて授業が進められるので、授業中に当てられることもある。なかには芝居気たっぷりにわざとトンチンカンなことを答えて対応のしかたを見る教員もいる。ずいぶん人が悪いなと思うが現場では度々起こることだから、生徒を傷つけないような配慮ができる教師か確かめることは大切かもしれない。

授業は単に知識や技術の伝達の場だけではない。生徒に学ぶ楽しさを感得させ、積極的に学習に取り組む意欲を喚起する場でもある。

模擬授業でそこまで要求することはないがその片鱗でも感じられたら喝采もので全員◎である。「落ち着き」「爽やかさと明るさ」「適度の声量」「分かりやすさ」「適切な例」「整然とした板書」「有効な情報」「誤答の例」等々チェックポイントは多々あるが、最大のポイントは生徒と良好な関係を構築できる人かが判定のカギとなる。

模擬授業では、技術力はもちろん、それ以上に発する言葉や態度やささいな所作などから人間性を厳しく見られていることを選考を受ける方は知っておくべきである。

2010/11/2 彦井 脩

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