VOL.58「試験監督」

2010/10/20

教員であれば、入学試験から学期ごとの定期試験、校内で実施する業者テスト、英検や漢検にいたるまで一年で何回も試験監督をやらされる。

もちろん監督なのだから、生徒の不正行為を取り締まらなければならない。
有り難いことに現職中にカンニングをする生徒には一度も出くわさなかった。
良い生徒に恵まれたのか、得点に執着しない怠け者ばかりだったのか、単に見つけられなかっただけなのか定かではない。

定期試験であれば平均50分。
業者テストなどは1時間を越えることもある。
不謹慎ではあるが正に退屈極まりない時間なのである。

「教室の掃除」「掲示物のチェック」「ストレッチ」「服のポケットの整理」・・・等々、監督中の教師の過ごし方はさまざまである。

思わぬところから千円札が出てきてニンマリ笑ったら生徒と目が合ったという仲間もいた。

私は日頃じっくり考えられなかったことを何か一つ決めて監督に行くことが多かった。
教室の後ろに立っていかにも見張っているふうを装ってあれこれ考えていた。

本来、あくまでも忠実に監督の仕事を遂行しなければならないのである。

反省の気持ちも込めて試験監督の心得とも言うべき点を思いつくままあげてみる。

「試験場には余裕をもって早めに入る」「念のためトイレもすませておく」「体調不良の生徒の有無を確認する」「試験内容に関わる掲示物は取り除く」「前や横から見られないよう生徒の机を真っ直ぐに並べる」「生徒が机上に余計なものを載せていないか確認する」「問題用紙の配布は学校で決まっているやり方に従う」、配布も回収も全く生徒の手を煩わせない学校もある。
「試験中も全体に目を配り、生徒がケシゴムや筆記具など落としたらすぐ拾ってやる」・・・等々、ざっと挙げてもこれだけある。
考え事をするヒマなどないのである。

徹夜して試験中に寝てしまう生徒もいる。
1,2分の仮眠のつもりが熟睡し、ほとんど手つかずで終わってしまったり、ヨダレで答案を濡らしてしまう生徒もいる。
よく注意を払って優しく警告してやるのも監督の大切な務めなのである。

2010/10/20 彦井 脩

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