Vol.44「キャリアデザイン」

2010/07/07

最近学校でもよく聴かれる言葉に「キャリアデザイン」がある。

学校で用いられる場合は文字通り自分の人生における仕事を思い描くことである。

日本企業独特の終身雇用といった形態もこの不況には勝てず崩壊しつつあり、リストラによる失業も増加している。
不確定要素の多いこうした時代にあって、中高生が自分の将来の仕事に費やすあり方を構想することは大いに意義のあることである。

明治維新後に職業選択の自由が保障されると、以後若者たちの仕事選びに迷いをもたらすという皮肉な現象を生んで今に続いている。

夢に向かって一歩を踏み出したとき夢は目標に変わるが、現実離れした夢では目標にはならない。
若者の離職率が増えているが自己イメージの勘違いによるものが多く、仕事との相性の悪さというミスマッチによることが多いらしい。

夫婦の会話でオクさんが鏡を見ながら「イヤだワ、こんな顔見たくないワー」言ったら、「いいなー、キミは鏡を見ている時だけだから」とダンナさんが思わず言ってしまった。
その後どうなったかは想像にお任せする。
オクさんの心情を察すれば、「キミはいつも綺麗だよ」という言葉を期待していたのである。
誰しも自分には甘い評価をして生きている。

中高から大学までの学校生活では知識は豊富にはなるが自分を見極める機会は乏しいようである。
日本の教育には自己分析や自己診断に関わるような授業は組み込まれていないので自らの特性をつかめないまま社会に出てしまうことが多い。

一教員の指導には限界があるが、各教科の授業を通して自分の優れた個性を発見できたら素晴らしいことである。
マイナス要素よりも見過ごしていた自分の優れた能力に気づかせるようにしたいものである。

生徒それぞれがよりよいキャリアデザインを構築するためにも学校も教師もそれなりの配慮が大切である。
それにはまず生徒はもちろん教師自身も自分を見直す機会を多く作ることから始めてはどうだろうか。

2010/7/7 彦井 脩

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