Vol.3「ほめて育てる」

2009/09/02

人間いくつになってもほめられるのは嬉しいものだ。
ただ、ほめられ方によって嬉しさにも差が出るし、ときには不快を感じることもある。

「美味しいお料理ですね」よりも、「蕗独特の風味がよく出ていますね」と言われた方が嬉しいだろう。
ひと言添えるだけでずいぶん違う。

「ほめる人には油断するな」ということわざもあるくらいだから、言葉を選ばないと逆効果になりかねない。

生徒のほめ方もなかなか難しい。
「ほめて育てろ」とはいうものの、ほめてだけいれば良いというものではない。
ただ、ほめる効果の大きさは誰もが認めるところで、「君は計算が速いね」という先生のひと言で算数好きになったりもする。

ただ妙なもので、どんな人も直接よりも第三者を介在してほめられた方が嬉しさはさらに深まるようである。

面と向かって直にほめたら、「こんなにほめるからには何かウラがありそうだ」と疑われてしまう。
「田中先生がキミのことを『よく頑張る良い子ですね』って言ってたよ」と聴いたら、その生徒は田中先生が好きになり、さらに頑張るだろう。

また、中学生のクラスでテストの後に、「これに似た問題は大学入試にも時々出ます。
出来た人は手を上げて、素晴らしい!」といった名誉や功名心をくすぐるほめ方も効果的である。

「アメとムチ」とよく言われるが確かにアメばかりでは育つものも育たない。
厳しい言葉が続き、投げ出したくなったときに、「そうそう、それさえできればもう完璧!」なんて言われたら嬉しさは倍増するはずだ。

生徒をほめるにもタイミングや効果など、繊細な配慮が必要である。

2009/9/2 彦井 脩