Vol. 28「授業上手」

2010/03/03

観光地でガイドさんが説明してくれる所がある。巧みな話術でその地に関する興味がますますわいてきたという経験を持つ人は多いと思う。そんなガイドさんに出会うとその地が急に輝いて魅力的に見えたりもする。

授業をする教員もよく似ている。授業上手な先生に出会うとカスミ越しのぼんやりしたつまらない科目も、スッキリとして俄然面白く感じるようになったりもする。

こう考えると教員の責任の大きさは測り知れないものがある。
45年の長きにわたった教員生活で国語嫌いの生徒を何人つくったかを思うと空恐ろしくなる。3ケタか4ケタか分からないが忸怩たる思いを遥かに超えた思いに震えがくる。これこそ運命の出会いで神様の思し召しと神様のせいにして逃げたくなる。

教員の授業力を判定するこれといったモノサシなどない。ただ何をもって基準とするかについてはいくつか考えられる。

①担当科目についての知識が豊富なこと。
②説明が簡潔でわかりやすいこと。
③文末まではっきりと話すこと。
④説明の例が適切であること。
⑤板書が見やすいこと。

基本的なことを挙げるとこんなところに落ち着きそうだ。ただ、この条件を満たせば完璧かというとそうはいかない。

観光地のガイドさんの説明も聴くに耐えないこともある。聴く意欲がわいてこない理由は単に説明のしかたや説明内容だけではない。

ガイドさん自身のその地に対する熱い思いと、それを伝えたいという大きな願望があってこそ聴く者の心にも響くのである。

教員も前に列挙した項目を前提条件として、担当教科への深い思いとその思いを生徒に伝えたい情熱があってこそ生徒の心を捉えことができる。その積み重ねが授業上手への道につながるように思われる。

2010/3/3 彦井 脩

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