Vol. 27「時間」

2010/02/24

やたらと遅刻する生徒はどこの学校にもいる。
こういう生徒は体育や音楽や理科実験などの教室移動にも慢性的に遅刻する。

卒業してもクラス会やクラブのOB会に必ずといってもいいほど遅刻してくる。
正に「三つ子の魂百まで」である。

職業柄よく卒業生の結婚式に招かれる。
ある式場で新婦の友人たちが晴れやかな衣装で「先生ご無沙汰してます」などと挨拶にきた。
その中にいるべきはずのR子がいない。
「R子さんは」と訊くと「Rちゃんは遅刻ですよ」と口を揃えていう。
案の定、厳かな結婚行進曲に合わせて新郎新婦と一緒にR子が入場してきた。

よく遅刻する人は病気といってもいい。
治りが遅い上に再発の危険も多い。
正に不治の病といってもいいかもしれない。
なんとか中高生くらいまでに完治させなければ一生この病に付き合うことになりかねない。

私が二番目に勤めた学校は「5分前主義」を唱え、校外学習な
どでの集合時間では教員はきびしく生徒に徹底させていた。
うるさい先生は5分前の5分前に集合させるといった珍妙な現象が起こったりした。
全員が時間を厳守すればすむことで、一人二人の不届き者のために5分とはいえ無駄な時間を費やすのである。
40人なら自分も含めて200分である。
正に時間泥棒である。

カレンダーの語源がラテン語の「カレンダアム」でローマ時代に「借金台帳」を意味していたというから、ローマ人は日々利息の計算をしながら、切実な思いでしみじみと「時は金なり」を実感していたのかもしれない。

「Time is Money」は、朱子学の「少年易老学難成、一寸光陰不可軽」に呼応し、「鉄は熱いうちに打て」と比喩的に用いられたが不況が続き、時給ナンボとダイレクトに使うようになってしまった。

学校生活は一定の時間と速度で流れている。
授業の1校時~6校時の授業も含めて学校全ての時間を「校時表」とよんでいる。

こうした明快な生活リズムを通して教師も生徒も時間泥棒にならない人格を涵養したいものである。

2010/2/24 彦井 脩

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