VOL.236 クラブ活動の指導

2014/10/08

高校生の頃から始めた弓道を大学でも続け、教師になって専ら生徒に教え、教壇を降りてからも弓道部の監督は引き受けている。生徒の頑張りで実績も上げ、毎年とはいかないまでも都代表として全国高校総体にも何回となく駒を進めている。部員は進学後も各大学弓道部に所属し敵味方に分かれて活躍する者も多い。

先日文化祭に大学4年になった生徒が就職内定先を報告にやってきた。中高生の頃とは見違えるような落ち着きと爽やかさを具えた好青年になっていた。

概して大学の体育会に所属していた卒業生は優良企業に就職している。採用する企業は体育会の所属だけで「健康・協調性・持久力・指導力・快活さ」が揃っているイメージを持つようだ。面接で訊くことも部活動に関わることが多いらしい。

毎年、部員として中高の6年間を全うして卒業する生徒を見ると全身から光を発しているような雄々しさと頼もしさを感じたものだ。

新学期を迎えるたびに例年多くの新入生が入部してくるが、必ずしも全員が卒業まで続けるわけではなく挫折する生徒もいる。

特に弓道はチームプレイもなく練習も単調な動きで面白味に欠ける。それでも順調に上達すれば達成感もあり楽しくもなるが、悲しいことにスポーツは全て資質に負うところが大きい。「夢に向かって努力すれば願いはかなう」なんてドラマの世界だけである。努力しても報われない生徒を何人も見ている。毎年、高校野球の熱戦ぶりが放映されるが、グランドで活躍する選手よりもベンチにも入れずにスタンドで同じユニホームを着て声援する部員たちが気になる。

まったく弓道に向いてない体型だったり、運動神経が驚くほど乏しい生徒が自分の限界を感じて部を去っていく時は、切なく思いながらもややホットする自分を感じて慚愧の念に苛まれることもある。学校クラブの指導者は良い戦績をあげ校名を高めるだけではない。すべての部員が在学中充実した活動を全うするように指導しなければならない。立派な戦績や活躍のいかんに関わらず努力を続けた後に明るい未来を開く力が賦与されることを体得できるような指導をめざしたいものだ。

 

2014/10/8 彦井 脩

彦井先生写真②  

彦井 脩

当社アドバイザー。 昭和38年にキリスト教主義の女子校に勤め、その後、平成4年に男子校に転じ平成20年までの45年間教員生活を続けた。その間、塾や予備校の講師、参考書やエッセイの執筆もする。

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