VOL.231 W杯サッカー追想

2014/08/20

堅守速攻のドイツ優勝でW杯サッカーが幕を閉じた。いつからこんなにサッカーファンが増えたのかと驚くほど国をあげて盛り上がった。日本チームの試合当日はどこへ行っても代表チームのユニホームを着た人々を見かけた。早朝に放送されたために眠そうな顔で出勤する人々も多かった。

日本チームは残念ながら予選落ちしたがW杯サッカーは私たちの心に温もりを残してくれた。日本チーム敗戦後、競技場スタンドのゴミ拾いをする日本人サポーター達の様子が多くの国々で報道されて話題になった。日本人の一人として嬉しくもあり誇らしくもあった。

日本人であれば誰しも日本が勝ち進んでほしいと願わない人はいない。ただアンフェアーなことまでして勝って欲しいと思う人などいない。ましてやレーザー光線を相手チームの選手に照射するなどありえないことだ。

予選落ちした選手達が帰国の途に就き成田空港に降り立った時、サポーター達は口々に「お疲れ様」の声で出迎えた。国によっては悪い結果を残して帰国した選手達が罵声を浴びたり、「これでもナメてろ!」とアメを投げつけられた選手達もいたという。決して日本人が勝敗に恬淡としているわけではないが、結果よりもいかに力を尽くし、フェアーな戦いをしたかに重きをおいている。

先日、ザッケローニ監督が帰国する時の姿がニュースに流れた。花束を贈る人もいたし、長谷部、内田選手も見送りにきていた。結果的にはW杯では一勝もできなかったがその真摯な指導に対する感謝の気持ちは伝わったはずだ。

日本が敗戦に逆上して監督や選手に罵声を浴びせるような国でなくて本当に良かったと思う。敢えて日本の国自慢をすることもないが自国の文化や倫理観に誇りも持てずに他国の人々と国際的なコミュニケーションは築けない。

W杯サッカーはあらためて日本人の優しさを認識する機会を与えてくれたように思う。豪栄道が大関昇進の際に誓った言葉が「大和魂を磨く」だったそうだ。今こそ我が国固有の魂と美徳に誇りと自信を持って外つ国の人々にも接したいものだ。

2014/8/20 彦井 脩

彦井先生写真②  

彦井 脩

当社アドバイザー。 昭和38年にキリスト教主義の女子校に勤め、その後、平成4年に男子校に転じ平成20年までの45年間教員生活を続けた。その間、塾や予備校の講師、参考書やエッセイの執筆もする。

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