Vol. 23「教師さまざま その2」

2010/01/27

「教師さまざま その1」では野生派の教師像を書いたが、今回はネガテイブ派である。
このタイプも必ずどの学校にもいる。

学校によっては群れでいたりする。

職員会議では、前向きな発言よりもネガテイブな発言が主流となることが多い。
モノを扱っている仕事と違って対象は人間で、しかも個々の家庭の宝物のような子どもである。
発言が慎重かつ保守的で、守旧的になるのは極めて至当なのかもしれない。

こういった雰囲気の漂う会議で、うっかり前向きな発言などしようものなら、「能天気者が甘いことを言っちゃって!」といった非難の眼差しと冷笑を浴びせられるのがオチである。

何か新規のことを始めるときに知恵を絞り、障害になる点がすべて解消され、やっとGOサインが出かかると、ネガテイブ君
が登場して最悪の状況を想定した発言をする。
よくもまあ短い時間にこれだけ悪い状況を思いつくものだと感心させられる。

思慮深い雰囲気を漂わせて、「夢のある、とても良いご提案ですが、万が一○○のようなことが起こったときは、対応が非常に難しくなるとも思われますがいかがでしょうか」といった言い回しをする。

ことばも内容も極めて丁寧で行き届いている。
しかし、よく考えてみると「夢のある」という言葉の裏側に「根拠のない甘さ」を揶揄する気持ちがあり、「万が一」の細かな点にも配慮する自分を見せ、「ダメ」と断定せずに「対応が難しい」と提案者を気遣って曖昧にし、「いかがでしょうか」と相手に結論を委ねる。

大体「万が一」のことを考えることが気に入らないし、この世は論理や原理を超えたところで勝負が決まると思いたい私のような雑駁な人間には相容れない部分が多い。

ただし、彼らは功罪併せ持つ存在で、何か画期的なことを始めるときには障壁ともなるがリスクも抑制してくれる。

出来ることなら、彼らにキーポイントとなる問題点の指摘から一歩進んで、最善の策まで提示してくれることを期待したい。

否定すべき点が見えるなら進むべき道も見えるだろうし、そうした能力も十分具えているはずである。

2010/01/27彦井 脩

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