VOL.225 山の日

2014/06/25

「海の日」があって「山の日」がないのは不平等だ。という世間の声に応えるかたちで、8月11日を「山の日」とする法案がこの程国会で成立した。もともと海と山が平等と誰が決めたんだとは思うものの休日が増えるのは嬉しいことで反対を唱える声もあまり聴かれない。

安倍首相は景気回復の契機の一つになることを期待しているそうだ。識者の予測では休日を1日増やすことで3.2兆円の経済効果が見込まれるそうだ。

「山の日」が制定されれば祝日は16日になる。アメリカ10日、フランス11日、イギリス8日、ドイツ9日と並べると他国を大きく上回っている。ところが有休休暇の平均を比べると、日本8.5日,アメリカ13.1日、フランス25.0日、イギリス25.0日、ドイツ31.2日と他国より下まわっている。

かつて日本人の働き過ぎがやり玉に挙げられたことがあった。安価な日本製品が劣悪な労働条件によって産み出されるというのだ。そうした背景もあってか祝日を増やすだけでなく振り替え休日までできた。日本は「みんなで・・・」が好きな国民性を持っているので祝日を増やしたのかもしれないが、ゴールデンウイークの混雑ぶりなど見ると、観光地集客の分散化も期待できる有休増加を図るべきとも思う。

「山の日」の制定に反対意見を持つ人もいるようだ。周囲を海に囲まれた海洋国日本が海の恩恵に感謝し繁栄を祈念する「海の日」は妥当だが、「山の日」は根拠に欠けるという。「海の日」との平等をいうなら「太陽の日」「森の日」「川の日」・・・と何があっても不思議はないという。

一部の府県では「山の日」をすでに制定している。「八」が山の形に似ていると山梨・岐阜県が8月8日、11が山に木の立ち並ぶイメージがあると11月11日を香川・愛媛・高知県がそれぞれ「山の日」としている。 

8月11日を「山の日」にしたのはお盆休みに並べたようだが、これまた「みんなで・・・」の日本人ならではの論理が働いたようだが、観光地や交通機関の混雑を考えて各県の任意にするなど上手い日取りを考えてみても良かったと思う。

2014/6/25 彦井 脩

彦井先生写真②  

彦井 脩

当社アドバイザー。 昭和38年にキリスト教主義の女子校に勤め、その後、平成4年に男子校に転じ平成20年までの45年間教員生活を続けた。その間、塾や予備校の講師、参考書やエッセイの執筆もする。

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