Vol. 22「教師さまざま その1」

2010/01/20

「英語科は変人が多く、数学科は肥満で、国語科はとかく一人よがりで身勝手な人間が多い」と聴いたことがある。まったく根も葉もない巷説である。ただ長い教員生活を振り返ってみると、すんなり当てはまっている人もいて面白い。ただ真反対の人もいるので、とても定説などとは言い難い。

教科による仕分けは難しいが教師にもいくつかの類型的な分類はできる。教員生活を続ける上で、その類型のそれぞれの特性をよく知っておくことは極めて大切なことかもしれない。

まず、どこの学校にも必ず一人はいるのが野生的でゴツイ体育会系の教師である。文字通り筋肉自慢の体育科の教員が多く、髪は短く刈り上げ、スーツ姿は入学式か卒業式にしか見ることができない。常日頃トレーナーを着用し、手には必ずといっていいほど竹刀の残骸など武器に相当する棒状のものを携えている。

必ず武勇伝とかエピソードがあり、「クギを指で押して刺していた」などといった、バカげたことが実話のように校内に流布していたりする。全校生が恐れているので、生活指導を一手に引き受け学校としても大いに助かっている。

たいていの学校では、この類の教員を一人は思い当たるのではないだろうか。

ひ弱で情けない教員は、もっぱらそんな野生派君の威を借り、アメリカの核の傘下の日本さながらに、ワルの生徒が反抗的になると野生派君の名前を出したりする。

野生派君は、生徒が自分を恐れることを無上の喜びとする。「生徒が先生を恐れて・・・」などといった話をするとご機嫌になる。

彼らは学校の最強クラブの指導に熱中したりしているが、決して現役時代は一流選手ではなく、青春時代の不完全燃焼を躍起になって取り戻そうとしているかに見える。

豪快に見えて内心はかなり繊細で結構傷つきやすく感傷的な言葉に敏感に反応する。また、饒舌で広報マン的な特長も具えているので、嫌われたら影響は大きい。「誰かが言いたいことを言わされる愚は避けよ」という格言があるが、敢えて自ら愚行を引き受けてくれるようなら思いの丈を話してみてもいいかもしれない。

2010/01/20彦井 脩

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