VOL.219 教職未経験者の採用

2014/05/14

我が社には教職の経験が全くない方も登録に来られる。新卒ならまだしも失礼ながら結構年齢も高く、教育実習しか教壇に立ってなくても採用選考を多くの方がクリアしている。未経験の方を受け入れた学校はかなりの勇気を要したと思われる。

教職現役時代に教員の採用にも関わったが複数での面接だったので個人的には責任を感じなかった。ただ候補者に傑出した人が単独でいれば問題ないが甲乙つけ難い人が複数いる場合は思い悩んだ。

採用に関わる人は、後々問題が生じ「年齢が高く未経験の人をなぜ採用したのか?」と詰問された時に申し開きができる人を優先する。たとえば英語の先生であれば、「英検1級・TOEIC900点、商社勤務で英国在住3年、教職経験がなくても採用するでしょう」といったことだ。極端な例をあげたが経験を超えるスキルや実績がモノを言う。

ずいぶん昔になるが、上場会社の総務部長をしていた友人から社員の採用に関わる話を聞いた。総務部の中に人事課があり毎年新卒者の採用では苦労したという。採用試験の時期になると必ず社長や専務から「友人の孫なんだが、良い人物だったら頼むネ」といった声がかかる。50名採用の時は40名を実力通りに決め、残り10名枠に候補者を20名ほど選び、その中に社長や専務のコネを入れて「40名は私どもの力で選べましたが残りが甲乙つけ難く決めかねております。社長と専務のお手を煩わせるのは恐縮ですがよろしくお願いします」とゲタを預けるのだそうだ。「キミよく部長が務まるね」とかイヤミを言いながらシッカリ自分らのコネを入れて決めてくるそうだ。「後々自分に災いのかからないような策を講じるのがサラリーマンの生き方だ」と言ったのを聴いて感心した。

教職に限らず採用の任にある人は自分の立場を悪くする要素を持った人は選ばない。なかなか良い就職先に恵まれない人は、一度立ち止まって、採用する人の立場に立って自分を見つめ直すことをお勧めしたい。採用者が触手を伸ばしたくなるようなスキルや特質を極力磨くことを併せてお勧めしたい。

2014/5/14 彦井 脩

彦井先生写真②  

彦井 脩

当社アドバイザー。 昭和38年にキリスト教主義の女子校に勤め、その後、平成4年に男子校に転じ平成20年までの45年間教員生活を続けた。その間、塾や予備校の講師、参考書やエッセイの執筆もする。

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