VOL.215 新年度

2014/04/02

学校の一年の計は新年度にある。生徒は新たな担任と新しいクラス仲間が決る。

中高生の時代に、たまたま同じクラスになった縁で一生の付き合いをする人は多い。また人格の形成期に多少なりとも影響を受ける担任との出会いも生徒達にとっては重大事である。

担任やクラス分けの発表の仕方は学校によってさまざまだが、多くは校内の掲示板に「クラス名、担任名、生徒名」が張り出されることが多い。昔は始業式に全校生を前に校長や教頭が各学級の担任を発表したものだ。担任の名前が読み上げられる度にため息や歓声が上がる。歓声なら良いがため息を吐かれては居たたまれない。そんなこともあって掲示発表になったが教師はその場に近づかない。

男子、女子、共学校によって反応は違う。女子校では仲間と同じクラスになった別れたで、小躍りしたり泣いたり悲喜交々の情景が展開される。

大抵の学校は校長や教頭が教科や年齢のバランス等を配慮して手持ちのコマの能力を有効に活かすべく各学級担任を決める。「エイ!ヤッ!」とサイコロを振るように、手を抜くと年度の途中で必ずトラブルが起きる。

また生徒のクラス分けは前年度の学年教師が主任を中心に決めて新年度担当の教師に引き継ぐ。学力を均らし、一緒にしておくと良くない生徒を分け、父母会の役員を引き受けてくれそうな家庭を均すこと等々、多様な情報や条件を配慮しなければならない。大雑把な決め方をすると新年度の担当教師に迷惑をかけることになる。

教師も生徒も、正に「一年の計は新年度にある」の所以でもある。学級担当教師が継続して持ち上がる学校も、中高6ヶ年を一貫して担任を替えない学校もあるが功罪は当然ある。校務分掌、クラブ顧問も年度毎に替える学校もある。

ただ学校は生徒が主体であり、彼らがいかに個々に良い条件で新学期に臨めるかを優先すべきである。生徒の中にはクラスで苛めに近い状態にある者や、個々には問題ないが一緒にすると相互に悪の相乗効果が起こる者達もいる。教師は日頃から生徒に寄り添って、よく観察し新学期に向けて最良の対応が求められる。

2014/4/2 彦井 脩

彦井先生写真②  

彦井 脩

当社アドバイザー。 昭和38年にキリスト教主義の女子校に勤め、その後、平成4年に男子校に転じ平成20年までの45年間教員生活を続けた。その間、塾や予備校の講師、参考書やエッセイの執筆もする。

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