VOL.213 担任の務め

2014/03/12

皆さんも中高生の頃に自分の生き方に影響を受けた先生は恐らく少ないと思う。教師になって自分も含めて良い教師など沢山はいないことを痛感した。

何をもって良い先生とするかは難しい。何年も経って良い先生だと気づくことや、優しいと思った先生が無気力だけの人だと後になって分かることもある。

先生との関わり方によっても違う。担任、クラブ顧問、授業担当教師、時々見かけるだけの希薄な関係の先生もいる。当然のことながら担任のように関係が濃くなるほど好悪の思いが強くなる。

どんな方も担任の想い出は鮮明に残っていると思われる。成長期の親以外の身近な大人で、無意識ではあっても少なからず影響を受けやすい。

生徒にとって担任は連絡を正確に伝えてくれることが必須条件である。担任が大事な連絡を忘れると学級連絡網を使うことになる。今は便利な時代でメールの一斉送信ができるが電話連絡の時代は大変だった。楽になったとはいえ頻繁にメールが届いたら担任どころか学校の信頼も失いかねない。いい加減な担任に受け持たれると他のクラスからの情報で確認を取るなど生徒の方がしっかりしてくるが、そんな反面教師効果を期待するわけにもいかない。

先日、我が社に学生気質を残した素朴な方が登録に来られた。悪い人ではなかったが自称代名詞は「ボク」だし、こちらが渡した名刺は片手で取ってすぐポケットにねじ込む等々呆気にとられた。今各大学では就活支援が盛んで徹底して対人マナーを指導するらしいが、大人になってからでは所詮付け焼き刃にしかならない。「三つ子の魂百まで」というが、この方も、せめて中高生の時代に担任が日頃の生活を通して基本的なマナーを身に付けさせてくれていたらなあと思った。

生徒の身近にいる担任は、言葉遣いは「デス・マス体」を用いて敬語法の基本を示し、小さな物の受け渡しも両手を励行したいものだ。生徒を「オマエら」呼ばわりしたり、「皆さんの申した・・・」のような敬語の誤用や、生徒に物を投げ渡すようなことは厳に慎みたいものである。

2014/3/12 彦井 脩

彦井先生写真②  

彦井 脩

当社アドバイザー。 昭和38年にキリスト教主義の女子校に勤め、その後、平成4年に男子校に転じ平成20年までの45年間教員生活を続けた。その間、塾や予備校の講師、参考書やエッセイの執筆もする。

ご意見・ご感想は彦井 hikoi@careervista.jp まで。