VOL.206 私学教師になるには・・・

2013/12/18

我が社に登録に来られた方と毎日お会いしている。教職の経験を持っている方もいれば何十年も前に教育実習をしただけという方もいる。

中高生時代を思い出せば分かると思うが、教師の条件を全て具えた先生などそんなにいるわけがない。

だから私は登録に来られた方と面談するときは減点法ではなく、ご本人も気づいていないようなプラス要素を聞き出すように増点法で対応している。教職経験・学歴・人柄と三拍子そろっても生徒から好評価を得られない方もいれば、不安に感じていた方が意外に人気教師になったりすることもあるからだ。

日頃は見た目も暗いし滑舌も悪くボソボソ話し、教師には全く向いていないと思われる人が教壇に立った途端、「水を得た魚の如く」人が替わったように快活に声高らかに授業をする先生もいる。

私学教師の適性は一般常識では推し測れない不確定要素を多く持っている。個々の学校の特性との相性もあるし、求める教師の年齢や性別や経験も学校によってその軽重の基準もまちまちである。

人は自分のことがよく見えない。自分は条件が悪いから教師には向いてないと勝手に決め付けないことだ。教職の経験が全くない50代の方が会社の早期退職勧告を受けて我が社に登録されて、今リッパに教師として第二の人生を歩まれている例もある。高学歴も長期海外生活も教職の経験も英語科教師として武器にはなるが、活かしきれない総合力の欠落した人はいくらでもいる。

では「教職に就く条件は?」と訊かれれば「どんな方にもチャンスはあるということだ」ただ教師の基本的な力は1にも2にも授業力だ。きちんとした授業をしている先生の言葉は生徒も素直に受け入れる。また私立校は個々に独自の教育理念を持っている。従って自分よりも学校の論理を優先し、同僚と価値観を共有できる許容性を持つことだ。専門科目の力を磨くために問題集やセンター入試と取り組むもよし、教養や人格を高める読書や趣味に親しむこともお勧めしたい。

2013/12/18 彦井 脩

彦井先生写真②  

彦井 脩

当社アドバイザー。 昭和38年にキリスト教主義の女子校に勤め、その後、平成4年に男子校に転じ平成20年までの45年間教員生活を続けた。その間、塾や予備校の講師、参考書やエッセイの執筆もする。

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