VOL.191 筆マメ

2013/09/09

先日、首の神経を手術した幼友達を共通の友人と見舞うことになった。ところが
前日になって、友人との待ち合わせの駅の名前を見事に忘れてしまった。歳はとり
たくないものである。

自分で調べればいいものを、外出したついでに二子玉川駅の改札隣にある案内所
で訊いてみた。「大江戸線の新宿辺の漢字四文字の駅ありますか?」若い駅員さんは
突拍子もない質問にも丁寧にいろいろ駅名を上げてくれたがどれも違う気がする。

若い女性の駅員さんも二人加わって対応してくれ、「どちらに行かれるのですか?」
と言われ「国際ナントカという病院なんです」と答えたが、立場を代えれば、わけ
の分らぬ厄介な爺さんである しばらくしたら「分りましたよ。多分『若松河田駅』
近くの『国際医療センター』ですよ」と、病院のHPの地図まで打ち出してくれた。
たまたま私の他にお客さんがいなかったとはいえ親切な対応に心から感謝した。

お陰で友人と、手術後の経過良好という元気な幼友達を無事に見舞うことができ
た。病院の近所で幼友達の快癒を祈念して友人と杯を上げて帰宅したが、親切な駅
員さんのことがいつまでも温かく心に残り何か忘れ物をしている気分がぬけなかっ
た。種々考えあぐねた末に礼状を書くことにした。

住所は東急電鉄に問い合わせて分ったが、当の駅員さんの名前も分らない。仕方
がないから、二子玉川駅長殿で、ことの経緯と感謝と駅員さんたちに「老人が感謝
していたよ」とひと声かけて下さるよう依頼の旨を葉書に書いて投函した。

心のつかえが取れて気分がすっきりした。驚いたことに二日と空けずSという駅
長さんから礼状が届いた。数日後に玉川花火大会を控え、管理職トップにあり対策
に多忙を極めているはずの方から封書で「・・・早速係員に伝えたところ大変喜んでお
りました。お客さまのお役に立てたことは、私達サービス業にとっては大きな喜び
であり、今後の大きな励みになります。・・・」と丁寧な字で書かれていて恐縮した。

思いを伝えることは難しいが感謝の気持ちは即刻意思表示すべきだ。今学校では
葉書や手紙の書き方をあまり教えないが筆マメの生徒を育てたいものである。

2013/8/28 彦井 脩

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