VOL.185 「災い転じて福となす」

2013/07/10

タイトルの「災い転じて福となす」を「福となる」と思い込んでいる人が多い。

「なる」は自動詞で「手を加えずにしぜんにそうなる」のだ。
当然のことながら「なす」は他動詞で「不幸な出来事を力を尽くして幸せに変える」のである。

長く生きてきて、来し方を振り返ると平凡な教員生活にもそれなりの紆余曲折があった。さまざまな転機があったが今になって思うと全て結果オーライだったような気がする。

転勤族の父親のせいで小学校を3回、中高それぞれ1回ずつ転校した。父親には栄転であっても、やっとできた友だちと別れる身としては災いであった。

ただ、今になって思うとこうした経験のお陰で人見知りや対人恐怖症とは縁のない人格を築けたのだと思っている。

よく苦労は買ってでもしろと言われるが、不幸な出来事や辛い試練になど遭わない方が良いに決まっている。ただ、逆境の時にこそ人間は大きく成長するのは確かなようだ。たまたま結果オーライでつかんだ幸せは運が良かっただけで人間的な成長は望めない。私もその例に漏れずささやかな結果に恵まれて生きてきた。

近ごろの若者は「下向き内向き後ろ向き」と言われているそうだ。
せめて身近にいる生徒が自信喪失や人間関係の不調に陥ったら、自分を取り巻く状況に背を向けず前向きに立てば必ず活路を見出せることを教えてやりたい。

日ごろから生徒共々いつ厄難に見舞われてもそれを「福となす」ような意欲的な生き方を心がけたいものだ。

2013/7/10 彦井 脩

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