VOL.181 「謝罪」

2013/06/12

一般的に「アリガトウ」と「スミマセン」が人間関係の基本といった共通認識がある。幼い時から母親からこの二つの言葉を執拗に言わされて育った結果、ただ機械的に「アリガトウ」と「スミマセン」を発する生徒が増えている。

悪いことをして先生から叱られると「スミマセーン」と「間、髪を入れず」に軽々しく謝る。しかも「セーン」と「ー」が入ったりする。ムカッとした教師が「なんだ、その謝り方は!」と怒ると、「なんで謝ったのに怒るんですか!」と開き直る。

生徒を叱るには少なからず教師は躊躇する。叱ればその後の授業に支障を来たすし、その生徒との関係もギクシャクする。生徒を思えばこそ煩悶した末にやっと叱った結果がこうなる。カッとして思わず手が出る。その後、この教師がどんな代償を払うことになるか想像に難くないだろう。

その場に居合わせて事の顛末や雰囲気を肌で感じていない限り、事実だけを並べ立てられたら感情を抑えられないダメ教師ということになる。生徒の悪さに端を発していると「そもそも論」を持ち出したところで歯牙にもかけられない。

「謝罪の仕方」は多くの本が出版されているほどに難しい。ところがお手軽に?政治家も芸能人も謝罪の記者会見などしている。相撲の行司が小刀を腰に差しているのはミスジャッジをしたら腹を切るためという。元来責任の取り方は重いものだ。

人としてのマナーを身に付けさせるのも教師の務めの一つである。せめて「本当に/スミマセンデシタ」と文節で間をとって誠実さを示すぐらいなことは教えておいた方がいい。

2013/6/12 彦井 脩

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