Vol. 18 「KY」

2009/12/16

ひところKYという言葉をよく耳にした。
「空気読めない」の略だそうだ。

若者たちにとって絶対に言われたくない言葉らしい。
たしかに周囲の状況を読めなければ、友人もできないだろうし、KYと思われたくない理由もよくわかる。
誰からも好かれたいのは極めて当たり前のことだ。

ところが、KYを気にする若者が増えているはずなのに、どこへ行っても傍若無人な振る舞いに遭遇するのはどうしたことだろう。

先生方の授業を参観していると、明らかに不快な態度を見せる生徒がいる。
いったい空気が読めているのかと疑問に思う。
それとこれとは違うというのだろうか。
いずれにせよ、到底周囲の状況を察知出来ているとは思えない。

どうも彼らは「空気が読めない」のではなく、微妙な利害関係をハカリにかけて、「空気を読まない」ようである。
「空気を読んだ」結果、「空気を読まない」のである。

この先生の授業は受け入れられないと判断し、自分と共通するものを教室の空気から読み取ったとき、不遜な態度に出るようである。
明らかに先生に嫌われることをして、級友に合せるのである。

教師としては、そうした生徒の微妙な反応を読み取り、適切な対応をしなければ、上手く生徒に付き合っていけない。
もちろん自然体で生徒に受け入れられているならば、まったく問題はない。

困るのは、生徒の反応や動向を全く無視し、不遜な態度をとる生徒がいても、その生徒個人に問題があると決め付けてしまう教師が意外に多いことである。
確かに個人に問題がある場合もあるが、その生徒はクラス全体の雰囲気を背景にしていることが多いことを認識していなければならない。

とにもかくにも、KYは教師にとっても大敵だと、肝に銘じておく必要があるのではないだろうか。

2009/12/16彦井 脩

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