VOL.176「達成感」

2013/05/01

生徒が達成感を覚えるような授業ができたら、教師自身も共に達成感に浸れる。めざす目標あってこその達成感で、まず教師は生徒と目標を共有しなければならない。

 

授業のはじめに前の時間で学習した要点を確かめ、次に今日のポイントを板書しておき、終わりのまとめで確認する。最後に次の授業の概略を簡単に説明して予習を促し、次時への意欲を喚起する。生徒は学習の前後の流れと本時の確認で自分が授業を受ける前よりこれだけ進んだという達成感を覚える。

 

これが基本的な授業の展開で多くの教師がこれに準じている。ところが教員生活も長くなると、狎(な)れによる怠惰に陥り授業の前後の配慮も喪失して、ひたすら義務を果たすだけに終始する教師も多くなる。

 

教師は「これだけやった」という義務からの解放感よりも、生徒が「これだけ伸びた」といった達成感を覚えることにより喜びを感じたいものである。

 

達成感の効用は大きい。達成感を覚えた心身はさらなる充実感を求めるという好循環を生むからである。

ただ大きな達成感を得ることは容易なことではない。高い目標をかかげて完璧な結果を求めても、ものごとには全てに運がついてまわる。人智を超えた力が働くことも多くある。

不確定要素の多い目標達成という結果を求めるより、自分は目標に向かって着実に進んでいるという過程を認識することで達成感に至る道を選んだほうがよい。

教師も基本にもどって生徒共々達成感を覚えたいものだ。

 

2013/5/8 彦井 脩

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