VOL.169「気」

2013/02/27

先日阿川佐和子と歌手のジュジュの対談をTVで観た。阿川さんの対話の見事さに心酔している私は、土曜日の朝TBS7時30分からの「サワコの朝」を楽しみにしている。

ジュジュさんとの対話も阿川さんのお人柄かアッという間に和やかな雰囲気に包まれた。ジュジュさんから「ライブは気の受け取り合い」といった言葉があった。こんな魅力的な表現を上手く引き出してしまうのである。

一口に「気」と言ってもさまざまだが、「感情」や「気持ち」という心の根源である魂といった意味で言ったのだろう。彼女の対談こそ見事な対話者との気の交換を実感させられる。

教員が教壇に立つのも正にライブであり、生徒との気の受け取り合いといえる。一流アーチストのファンと創る熱い空間を、学校での授業に望んでも、日ごろから教師の魂を生徒が正面から受け止める土壌が培われていなければ難しい。

かつては気持ちのこもらない平板な話し方をする教師の授業を観光地のガイドみたいだと言われた。ところが今はガイドさんの話術も磨かれ、逆に教師みたいなガイドをすると言われるかもしれない。

かといって学園ドラマのような熱血教師を目指すことはない。
生徒と共に高みをめざし幾多の挫折を乗り越えさまざまな場面で感動を共感し、その思いを共有することだ。たとえ、その感動がどんなにささいなものだったとしても、日ごろのそうした積み重ねが、生徒との気の受け渡し、魂の交換の出来る環境を築いてくれるはずである。

2013/2/27 彦井 脩

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