VOL.166「まめ」

2013/02/06

ここでとりあげるのは形容動詞語幹の「まめ」である。終止形は「まめだ」。食べる種子の総称「豆」から派生した言葉だ。

活用語尾をつけて「まめな(人)」とか「まめに(働く)」のように用いる。「忠実」と漢字で表記するらしい。「おっくうがらずにきちんと仕事をする」といった様子を表す言葉である。「まめまめしい」という形容詞もある。

おせちの黒豆が、「まめまめしく良く働く」といかにも勤勉な日本人好みの意味を持つことはよく知られている。

現役時代、男子校での授業中にM君が「女性にもてる秘訣は何ですか」と質問した。平安時代の女性が理想とする男性の条件を在原業平がいかに多く具えていたかを話した後だった。

私は深い考えもなく「マメだよ」と即座に答えた。マメであることが女性にいかに有効かを貧しい体験から粉飾して話した。彼らも飲み会のできる歳になって居酒屋に集まったそうだ。私が話題になり、M君があの先生からウソ話をさんざん聞かされたが「女性にもてるポイントはマメ」については、身をもって先日痛感したと話したそうだ。その場に招かれた元担任のK先生から報告があった。M君にも彼女ができ夢のような大学生活が始まった。ところがゼミのレポートを書くのに苦労してしばらく彼女との連絡を怠って見事にフラレタというのだ。

M君は良い勉強をしたが、「マメであること」を女性とのお付き合いにしぼって話したことを後悔した。マメは汎用性があって良好な人間関係を築く上での基本とも言える。教師の生徒への対応も然りで全ての指導はマメであることに尽きると思う。

2013/2/6 彦井 脩

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