Vol.15「夢を目標に」

2009/11/25

夢の実現のために一歩を踏み出したとき夢は目標に変わる。
個々の生徒たちの夢をそれぞれの目標にすることができたら素晴らしいことである。

ささいな夢でも、共にその夢を紡いでいく仲間がいれば逆境に陥っても乗り越えることができる。
夫婦も恋人同士も共に夢を紡いでいれば哀しい別れは訪れない。

優れた教師は生徒に夢を持たせることが上手だ。
クラブ活動の仲間たちとコンクールや大会に出場してよい成績を収めることから、TOEICで高得点をめざすようなことまで、さまざまな夢を持たせるのである。

夢は何となく浮かんでくるものではないし、他から与えられるものでもない。
実生活の行動の中から心の内奥に徐々に育っていくものである。

生活実感のない、ぼんやりと心に浮かんでは消えてゆくようなものは夢とは呼べない。
子どもたちが「宇宙人に会いたい」と言ったりするのと変わりはない。

クラブ活動などを見ていても、ただ楽しいだけであったり、厳しさだけが横溢しているようでは、共通の夢を持った集団には育っていかないようである。

客観的にはかなりハードに見えても、生徒たちがその厳しさを楽しむようなクラブがよい結果を収めている。
生徒達はただ厳しさに耐えるのではなく、その向こうにある大きな果実を見ているのであろう。

人生のほとんどがまだ白紙の生徒たちにとって、遥かなものに立ち向かう時間は十分ある。
遥かな夢の実現への可能性を生徒に実感させるのも教師の務めだ。
この世代ならではの功名心や名誉心の旺盛な生徒たちは、厳しさの向こうにある達成感に到達する可能性を信じて夢を結び、やがて個々に、あるいは共に生徒たちの目標となるのである。

そして彼らが厳しさの向こうの達成感という大いなる果実を手にしたとき、ほんとうの果実はそこに至る厳しくも充実した日々であったことに気づくのである。

2009/11/25彦井 脩

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