VOL.144 「メダル」

2012/08/29

「風が吹いている~♪」という、生きものがかりのテーマソングの余韻を耳に留めてオリンピックが多くの感動を残して幕を閉じた。日本選手の獲得したメダル数は、史上最多の38個という。正にご同慶の至りである。

いくら「参加することに意義がある」とは言え勝ったほうが良いに決まっている。

先日、銀座でメダリストたちのパレードも華やかに行われた。
予想を遙かに超える50万人の人々が押しかけ、その大盛況ぶりが報じられた。東京にオリンピックを招致する国民的な意欲を喚起する一環として行われたという穿った見方もあるが、連日寝不足になりながら日本選手の活躍する映像に感動した人々の素直な心の発露ならこんな結構なことはない。

メダリストが脚光を浴びるのは当然のことだが、メダルを予想されながら敗者となって帰国した選手たちの胸の内に思いを馳せると心が痛む。

敗者に安直な慰めの言葉をかけたら傷口に塩を塗るようなことになりかねない。敗者には敗者の矜持もある。誰しも負けたいと思って試合に臨む者はいない。ましてやオリンピックともなれば地域や国の期待を一身に背負い込んでいる。メダリストを祝福するのもいいが期待外れに終わった選手たちにも「お疲れさまでした」の気持ちで接したいものだ。敗者にしか学べない貴重な意義もある。勝者に敬意を払い謙虚に自分のプレーを分析すれば次の勝利にもつながるし後進の指導にも役立つだろう。
華やいだ光の陰の選手たちや良い負け方について生徒と語り合う時間を持ってもいいのではないだろうか。

2012/8/29 彦井 脩

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