VOL.137 「頑迷な教師」

2012/07/04

昔こんなことがあった。高校の卒業式を間近に控えて、高三の担任をしていたD先生が出欠席の調査をした。日ごろから出席簿の点検をしていれば問題はないが雑務に追われて確認できない日もある。各授業できちんと出席簿をつけない先生もいる。

D先生は卒業式で表彰される生徒を正確に把握すべく「○○日までに不審な点があったら申し出てください」と言って、その日までの出欠席を集計した一覧表を掲示した。

卒業式の予行をする時に、式次第のコピーを生徒に配布したら、生徒のSが「皆勤なのに私の名前が載ってない」と言い出した。
式次第には表彰される生徒の名前が印刷されていた。

それを聞いたD先生は激怒した。「こんなことが起こらないように、前もって確認してもらったはずよ!」と言い、「絶対認めません!」と突っぱねた。Sは「だって私の皆勤はみんな知ってるし、確かめることないと思ってた・・・」と弱々しく答える。

この騒動は容易には「一件落着!」とはならなかった。Sの友だちが他の先生に「Sが可哀想だと訴えた」。それを聞いた教員は学年の先生方にも相談し、D先生に卒業式を総括する先生に早く申し出て対応してもらうように勧めた。ところが当のD先生は、「繰り返し確認したのに従わなかった本人の責任です。表彰には該当しません」と頑強に聞き入れない。こんな常識外れのことが起こるのが学校というところだ。

もともと日ごろの出欠確認の怠慢が原因で、DがSに詫びて早めに対応すれば済んだことだ。最後は教頭がDを説得して新たに卒業式次第をギリギリで刷り直して事なきをえた。

穏やかな時を刻むかに見える学校にも多様なトラブルが発生する。自らの矜持を優先せず生徒には誠実に対応したいものだ。

2012/7/4 彦井 脩

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