VOL.136 「名将は兵を語らず」

2012/06/27

プロとして教壇に立っている以上、教師は生徒の出来、不出来を口に出してはならない。「名将は兵を語らず」である。

生徒の成績不振や意欲的な生徒が少ないなどは、自分の至らなさを認めて早急に善後策を講じなければならない。ただ生徒の学習意欲を劇的に高める画期的なワザなどあるはずもない。

多くの授業を参観してきたが、生徒の心を余さず掌握して自分の世界に引き込んでいる教師は極めて少ない。学校の体質や姿勢にもよるが熟睡している生徒が一人二人いることが多い。

飽きさせない授業をする教師には、次のような共通点がある。

①陽気である。
②適度な距離感を保つ。
③学習目標を明示する。
④板書が上手。
⑤説明が分かりやすい。
⑥専門的な知識が豊富。
⑦会話の一文が短い。
⑧メリハリがある。
⑨自信を感じる。
⑩情熱と熱意を感じる。

③~⑥は技術的な問題で授業準備の段階で対応できる。⑦~⑩も心がけ次第で解消可能である。ところが①②は生来の資質に負うところが多く努力の範囲を超えるが、これが教師必須の条件でもある。

教師から元気をもらう生徒も多く、基本的に教師は陽気で明るいことが望ましい。また教師は生徒に限らず周辺の人と心地よい距離感を具えることが望まれる。とかく若い教師は生徒との適切な距離を保てず軽視され雑然とした授業に陥りやすい。

生来の資質であっても改善は可能である。日ごろから明るく振る舞い、幅広い人間関係を構築して、多くの人とほど良い距離で温かい交流を心がけることだ。教師は生徒を語る前にまず自分を省みて、教師として持つべき力を身につけるべきだ。

2012/6/27 彦井 脩

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