VOL.131 「校歌」

2012/05/23

高校野球の実況放送で、整列した勝利チームの選手たちの勇姿にかぶせて校歌の歌詞が流れる映像を観た人は少なくないと思う。私の母親はいつも縁もゆかりもない子どもたちなのにこのシーンで涙を流していた。泣くなら観なければ良いと思うがこのラストの感動が好きだと言っていた。

多くの学校が、何かことあるごとに校歌を斉唱する。私が勤めた二つの学校もよく歌った。毎年音楽の先生が新入生に徹底指導する。歌詞の最後のフレーズに「・・・行く末や」という箇所があり、生徒の明るい将来を歌い上げる内容なっていたが、暗記させてテストしたら、「・・・世も末や」と何人か書いたと嘆いていたことを思い出すと今でも可笑しい。

W大学やM大学の卒業生の会はやたら大きい声で校歌を歌うので敬遠する会場もあったと聞いたことがある。それくらい許してやれよと思ったものだ。

校歌をよく歌う学校には強い一体感やまとまりがあり、愛校心が溢れているように感じられる。

卒業して何年か経ってふるさとから遙か隔たった地でクラス会や同窓会を開いた時などは、必ずと言っていいくらいに校歌を歌うのがプログラムの閉めとなる。

校歌には学校立地の懐かしい山や川の名が出てくることが多い。
懐かしい旋律に乗せて青春の日々に親しんだ山や川の名を口にした時、ふっと切ない感慨に襲われることがあるかもしれない。

在校生のころには校歌に思いを寄せることなど少ないと思われるが長く心の奥に生き続け、生活の折々に懐かしく蘇ってくることがあることを生徒に伝えておきたいものだ。

2012/5/23 彦井 脩

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