VOL.130 「傍迷惑」

2012/05/16

このところ若干混んだ電車に乗ると、寄りかかられることがある。ケータイは左手でつり革につかまり、右手で操作できるが、スマホは両手を使うので安定を保つために周囲の人に寄りかかるらしい。迷惑なことである。

揺れに合わせて良いタイミングで体を外してやりたくなる。

教師として生徒に伝えたいことはさまざまあるが、その一つに傍迷惑なことをしないことがある。

傍迷惑は、そのほとんどが本人は無意識のうちにしていることだから始末が悪い。

駅構内の人がたくさん行き交うところで平気で長々とおしゃべりを続けているオバサン達や、飲み会の流れで電車に乗り込み酒の臭いをまき散らして大声で喋るサラリーマン達はたぶん周囲の人に迷惑をかけている意識はないだろう。

そんなオバサンもサラリーマンも一人でいるときは物静かな紳士淑女のはずだが気持ちが高揚すると我を忘れるのかもしれない。我が身を振り返ると満更他人事でもない気がする。ましてや生徒のような若い世代の子どもたちが調子に乗って無意識に傍迷惑な行為に及ぶことはいくらもあるはずだ。

高揚感の中に身を置くとき、今自分が周囲の人からどう見られているかを確かめるようにしたいものだ。自戒の意味も併せて生徒たちに、自分で気づかずに周囲の人に迷惑をかけることがいかに多いかを話しておきたい。

「他人様の眼を気にするな」とよく聴くが、他人を意識すればこその言葉であろう。生徒相互、教員と生徒など校内の人間関係は限られるが、絶えず周りに気を配って生徒共々傍迷惑な存在にならないように心がけたいものである。

2012/5/16 彦井 脩

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