VOL.129 「おかげさま」

2012/05/09

給食の時間に「頂きます」と子どもたちに言わせることに文句を言った親がいたそうである。給食費を払っているのだから、「誰に頂く」わけではないというのである。

ずいぶん極端な話だが、この時代満更つくり話ではないような気がする。

敢えて書くこともないと思うが、これは代価の問題ではなく、
「料理や配膳をしてくれた人、その他食材の加工や運搬等々、
この食事に関わるあらゆる人々への感謝」と、「私の命を生かすために動植物の命を頂く」意味を合わせて「頂きます」を唱えるのだと一般的には言われている。

極めて穏当で気持ちの和む解釈である。給食費まで持ち出すクレーマーが出現するご時世になってしまったからには、せめて子どもたちにだけでも、基本的な考え方をシッカリと教えておきたい。

周辺のあらゆるものの「おかげさま」で生きているという感謝と謙虚さは古き善き日本人の美質であり、時代を超えて若い世代に伝えていきたいものだ。

生徒のご両親も、「頂きます」を言わせることを怒るよりも、むしろ励行させないことがあったら不満をもらしてもらいたいものである。

因みに、食後の「ご馳走様でした」の語源は「馳」も「走」も走る意味で、客をもてなす料理の食材を獲るために野山を疾駆したであろう行いに対する感謝の気持ち言葉に表したものでこれも感謝の言葉だそうだ。あわせて生徒たちに伝えおきたい。

2012/5/9 彦井 脩

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