VOL.127 「私学教員採用試験」 その4「模擬授業」

2012/04/18

「模擬授業」は、必ずしも全ての学校が実施するわけではない。
模擬授業を課す学校でも受験者の全てを対象とせず、書類、筆記、面談の三つの関門を突破した人だけに絞って行われる学校もある。

一般的には事前に資料を渡し「この教材で授業をして下さい」と準備期間を設けるが、学校によっては当日に内容を伝えて準備させる場合もある。

要求されなくても1時間分の指導案を作成の上で授業に臨むのが常識である。指導案はいかにポイントを押えるかがカギになる。与えられた資料をよく分析し、生徒に伝えるべき事柄の優先順位を決めて授業を組み立てるようにする。

当日は立ち会う先生方を生徒に見立てて授業をすることになる。

主な観点としては、「教科の専門性」「説明の的確さ、わかりやすさ」「板書の構成、文字の丁寧さ、漢字の書き順」「テンポ、スピード感、滑舌、声量、言葉づかい、」「発問の適切さ・生徒の質問に対する対処の適切さ」「明朗で快活、熱意と親しみ易さ」等々、多岐にわたる。

中高の授業は50分が一般的であるが、模擬授業の場合はまるまる時間を使うことなく繰り上げて「ここまでで結構です」と20分ほどで終了を告げられることもある。従って見せ場は早めに設定しておいた方が賢明である。

模擬授業とはいえ、あくまでも生徒を対象にした設定になっていなければならない。立ち会っている教師たちも生徒目線で判定している。受験のために役に立ち、興味がかき立てられるような情報に富み、生徒たちが「次の授業が楽しみだ」とか「こんな授業ならまた受けたい」「休んだら損をする」といった思いに駆られるような授業が展開されれば大成功である。

4回にわたって採用試験について書いてきたが、最後に書き添えたいのは全て評価の対象になるということである。応募書類の書き方から送付の際の宛名の尊称、学校訪問する際の服装、髪型、受付での言葉づかいから書類等の受け渡し等々、面談や模擬授業で直に対応する人だけが試験官ではないことを心に銘じてほしいものである。

2012/4/18 彦井 脩

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