VOL.111 「謝罪」

2011/12/14

生徒たちに教えておきたいことは数限りなくある。特に、ここで取り上げたいのは「謝る」ことである。

なぜか日本人は気軽に謝りの言葉を口にする。

「すみませんが・・・」とか「申し訳ありませんが・・・」等々、口癖のように頻発する。車で事故を起こした時は、ウッカリ謝ってしまうと事故の責任全てを押しつけられるから注意しろとよく言われる。とは言うものの、アメリカのような訴訟社会なら分かるが日本のような人間関係に繊細な配慮をする国ではどうもなじめない気もする。

アメリカでも通りなどで肩がぶつかると「エックスキュズミー」とか「ソリー」などと声を掛け合っているが、概して日本人のように気軽に謝罪などしないようだ。

ただ、日本に限らず謝るべきときにきちんと謝罪しておかないと人間関係を大きく損なうことになる。

自分の起こした誤りが明らかな時は素直に認め速やかに謝るべきである。メンツにこだわったり、その場しのぎのために下手に取り繕ったり、嘘をついたりすると後々さらに大きな嘘をつかなければ整合性がつかなくなる。とどのつまりは取り返しがつかなくなり人間性まで否定されることになりかねない。

何をするにも自分に起因する過ちは即座に正すことこそ成功の秘訣であることを自覚すべきである。

そうした自覚を教師が持っていないで生徒に謝罪について教えても説得力を欠くことになる。

私は30年以上勤めた女子校から男子校に転職したが男の子は驚くほど悪事を働いてくれた。その度に謝らせるが、つくづく彼らにきちんとした謝り方を教える必要を痛感した。

基本的に謝罪は許してもらうための行為である。「許す」か「許さない」かは相手が決めることで、どうしたら許してもらえるかを考える前に、まずは自分の過ちを素直に認め、反省の気持ちを示すべきだと教えることだ。

素直に謝ることは勇気のいる行為であること、また他人の過ちには寛大であるべきことも併せて教えておきたいものである。

2011/12/14 彦井 脩

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